■ルーマニア日記1■



2003/05/23 『 出発進行!』


 徹夜でやっと旅公演の支度が整い、出発まで2時間ばかりあるので部屋中の明りを付け仮眠をとる。少しウトウトして出発の時間。駅までタクシーを使う。横浜からより渋谷からの方が料金が安い事を発見し急遽、渋谷から「成田エクスプレス」に乗る事にする。

無事に成田に着き、SARS対策のマスクをする。
心無しか、空港に人が少ない。ほとんどの人がマスクをしている。

 飛行機の座席は、「ビジネスクラス」に乗れるかと思ったが、エコノミーに変更。
これから12時間、我が肉体は良く耐えた。10時25分発のKLMに搭乗。

 機内食は、「ビーフストロガノフ」と「鴨の肉団子」を選べた。悩んだ末に前者を食す。
まあ、旨い。
機内では、徹夜が効いて離陸の時は、もうすでに眠っていた。
起きたらビール。飲んだら寝る。起きたらビール。飲んだら寝る。
で、12時間。『アムステルダム』に着く。

 「アムス」は、マリファナBARのある町である。ふらっと寄ってみたいと思ったが、時間がなくて断念。ここでもたらふくビールを飲む。ちょっといたずらを空港でしたがここで書くと方々に迷惑がかかるかも知れないので止める。
しかし、見つかっておこられたなーーー。

 この時点で時差7時間。
日本時間の午前2時にアムスからルーマニアの首都『ブカレスト』に向かって飛行機でGO!ここでも、寝てビール。しかし、さすがに内臓が弱ってて、1盃で断念。3〜4時間して到着。しかし、外人乗客は、ずーと喋りっぱなしで、凄いうるさかった。 

 無事に荷物を引き取りホテルへバスで移動。
バスの中で「ビジネスクラス」にのった方々から、フランスパンのサンドイッチを頂いた。しかしお腹がいっぱいなのだった。それでも、美味しくいただきました。
きっと体重ふとっただろうなーーー。
なんて思いながらも、水圧の弱いホテルのシャワーを浴びこれを書いている。
ちなみにホテルも変更になったので名前が分からない、、、。
 
 色々あるがそれでも今日は、無事に生きている。

 5時間後には出発だ。



追記

 いやあ、帰って参りました。皆様の祈りのおかげと思っております。

 何人の方がこの日記に気ずくか分かりませんが、とりあえずかいてまとまったら緑さんがまとめて下さるのでしばしおまちを!そして、この日記は、突っ込みオッケーなので皆様の突っ込みを随時お待ちしております。やり方が分からない方は、お教え下さい。懇切丁寧にお教えします。

 出発前は、行った事がない国でしかも、とても遠い。無事に帰って来れるかどうか、、、。まあ、今の世の中そんなに事件にも飛行機が落ちるってな事にも遭遇する率は、スーパー少ない訳なのですが。
なんで、出発前にすこしナーバスになっていた事をお詫びします。なんか僕は今、余命幾許もないなんて言われたら無茶苦茶するんだろうなー!なんて、自分を分析してしまいました。失礼。

 色々な手違いがこの旅を襲いましたが、それがまた面白かったです。これから時間がある時に徐々に書いて行きますので緑さん今後まとめて下さいね。

 さて、日記には、書きませんでしたがエコノミーの旅はなかなか旅の序章には、ふさわしく辛かったです。12時間も身動き出来ない訳ですから、、、。
唯一の喜びは、ビールと食事でした。そしてそれを運んでくるのが「ハリ−・ポッタ−」に出てきそうな「魔女」にそっくりのおばさんであだ名を「魔女」とそのままつけて何とか退屈を凌ぎました。

   『ブカレスト』についた先のホテルは、今は「ツーリストホテル」と分かった訳ですがとにかく酷い。旅公演ではじめてこんなホテルに泊まりました。何が酷いってバスタブがなくてシャワーだけしかも汚く、水圧は弱い。住めば都かもしれませんが日本からいきなりこれだと驚きです。これで、二つ星なんだから先がめっきり思い遣られました。でもこれから先、そんな事なかったのですが、、、。
テレビで最初に観たCMも裸の女性が男性の背中をなでまわしているCMでビックリしたのを覚えています。

 これが旅の初日でありました。

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2003/05/24『 国境越え。』


 朝、水道管の音で目が覚める。同室の山下さん(先輩)が予想に反して先に目覚めたようだ。7時よりバイキングの朝食を食べ、少々の散歩。それから12時間に及ぶルーマニアから最初の公演先である隣の国のモルドバ共和国の首都キシニョフまでのバスの旅である。
途中、トイレ休憩の時、前日にホテルのフロントで水を買った時にユーロで払ったらおつりをルーマニアの通貨であるレイでもらったので(この時点でレイを持っていたのは僕だけなので)1人だけビールを飲む。優越感!
次の休憩は、昼御飯で、内容はマクドナルドであった。何故?噂通り警察官が警備している。ルーマニアでは、高級店のようだ。側に教会があったので見学。教会の壁から天井まで描かれている宗教画の余りの凄さに洗脳されそうになるが、負けまいとする僕。何故か、ふと曼陀羅が頭をよぎり「宗教ってどれも一緒なのかな?」と思う。
ここまでの道のりで思った事は、野良犬が多い。そして、この国の人みんな犬好き。良く車にも犬をのせている人を見る。それと馬車が普通に走っている。もう少し田舎に行くと普通に路に牛もいる。牧草地が広がり、牛、馬。牛、馬。1回だけ羊。そしてアヒル。これで豚がいればもう『ベイブ』の世界。わ〜い。
道路の脇には、ある一定の感覚をおいて十字架やマリア様の絵等が畑や牧草地の脇に置いてある。宗教が根づいているようである。

   国境で約3時間のタイムロス。賄賂の問題とか色々あるらしい。が、これでも日本人にしては何のトラブルも無く早くすんだ方らしい。恐るべきモルドバ。国境に相応しく無くやる気ゼロの犬が何故か寝そべっている。でも、かわいい!ぜい肉が無い。スマートなメス犬。ここでも、ビールを飲む。50ユーロをモルドバ レイに換金。ちなみにビールは、モルドバ レイで6レイ。国境から2時間かけてキシニョフへ、、、。
僕らの泊まる「ナショナルホテル」に到着。昨日のひとつ星よりは、良い感じ。ここは、ふたつ星。しかし、ベットが狭い、、、。ホテルで夕食をとる。メニュウは、カツレツにココナツ油の匂いのするタイ米のような御飯。、、、まずい。ワインも、、、まずい。ビールも、、、まずい。頑張れ!モルドバ!!
ホテルのレストランの隣にあるカジノに潜入。結果、トントン。しかし、カジノ特有の静けさがバを包む。
治安は、悪そう。
明日の作業は、大丈夫か?
しかし、このBITEI演劇祭に参加しているウクライナの新進気鋭の演出家ゾルダックの『ハムレット・ドリーム』を楽しみに、服を洗っって寝るとしよう、、、。



追記

   この旅は、ずっと二人部屋でした。途中偶然にも一人になる機会があったのですが、それは後述します。僕の相棒は、僕達の芝居の主役の山下晃彦さんでした。旅中、本当にお世話になりました。こっちの国では、だいたいこのパターンだったのですが、朝食はバイキングでパン、チーズ、ハム、ソーセージ、ゆで卵、野菜。昼は、スープ、と何か。夜は、サラダとメイン。このパターンが普通のようです。
このときは、移動していたのでマクドナルドに入りましたが、以前「横浜夢座」で共演しました劇団1980の加瀬さんに教えて頂いたとうりでした。初めは、気づかなかったのですが、、、。
夜中にホテルに到着したのですが、街が暗いのが驚きでした。それに、ホテルも、、、。夕飯のカツレツですがこれにはずっと悩ませられるようになります。昼と夜は、キシニョフにいる間中これのバリエイションしか出てこないと言う悲しい事になっていたからです。皆、どんどん太りました。さすがに食事制限を途中からしましたが、、、。
カジノは、照明の竹内さんと野村、山下さんと4人で出かけました。山下さんが50ドル換金し僕は25ドルかりました。しかし、つきまくリであっという間に山下さんに返しそこで止めれば良いのにあっという間にコインがなくなりました。しかし、僕は、トントンです。山下氏は50ドルすりました、、、。
カジノは、入口に悪そうなのがたむろしていて感じは悪かったです。初め入ろうとしてもいれてくれませんでした。感じは、決して良くはありません。

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2003/05/25 『ハムレット・ドリーム』


 日も目覚まし時計より早く目がさめる。朝食を食べ、散歩へ。
本日は日曜日。10時出発の予定が、キシニョフの選挙の投票日の為フェスティバルに頼んでおいた資材を置いている所に人が入れないという。というのも、その場所が投票場になっているからだ。作業が出来ない。
         何故、事前にその事が分からないのか・・・。
昼過ぎには作業が出来るようにするとフェスティバル側が言うので、予定を変更してこのBITEIフェスティバルの記者会見や、クラブハウスになっているザ・アンダーグラウンドクラブ「ブラックエレファント」を見物に行く。地下にあるいい感じのバーである。バーといっても大きく4部屋あり、入口から入って右側は、記者会見をやっていて、とても活気があった。左側は、バースペースになっていて、壁際にはとても大きな椅子が置いてあり、その椅子は使い古したジーンズをつなぎ合わせてカバーが作ってある。その二つのスペースを通り越して奥にはライヴスペースがあり、ちょっとしたライヴハウスである。そこには入らずに廊下を左手に行くと、右奥にビリアードが出来る場所があった。日本にこんな場所があると面白いだろうな〜と思う。
しかし、記者会見は何を言ってるか全く分からないがエキサイトしていた。
ブラックエレファントからホテルに向かう途中、市場を発見して立ち寄る。物凄い活気。山下さんがパジャマを購入。
ホテルのレストランで昼食を食べて作業へ。
私は照明部のため、照明機材の買い出しへ・・・が、日曜日。お店がやってない。やっているお店を探しながら、街の様子を眺める。あちこちに市がたっているのは面白い。革命広場の近くの公園テ゛結婚式をやっていた。
しかし、この街は一日中ポプラ(らしいのだが・・)の綿が凄く舞っている。目や鼻に入ってくるのでマスクをしていたら、それは凄い勢いで町中の人が僕に注目する。恐るべしSARS。あるカップルの女性などは、僕達は胸にフェスティバルのネームを付けていたので、すれ違い様に僕の胸を覗き込んで、男性に「おい、やめろよ」てな感じで引きずられていった。しかしあの中でマスクを付けない君たちは変わってるぜ、と自分を納得させつつ作業を再開。
作業場に産まれたばかりの子猫が何故か一匹。あっという間にアイドルである。

 夕食の代わりに側のカフェで軽くビールとピザを食べ、このフェスティバルに参加しているウクライナの注目の作品と言われている「ハムレット・ドリーム」を観る。

                 ・・・。
 つまらない。あれはあれでいいと言う人もいるが口論になりかけたのでやめた。もっと大人に冷静に話が出来る人間になりたいと思う。
カナダの演出家ロベルト・ルパージュ色が強いと思うが、何だろう。ダンス?
とにかく、音楽がうるさく、やたらおかしいでしょとやってみせる。台詞はほとんど無い。こんな事書いても分からないと思うので、やめますが・・・。
明々後日の自分達の公演の為に気合いが入る。ちなみにこの作品、スタンディングオベーションだったが、僕らの時に拍手がなくてもそれはそれで光栄である。



追記

 このフェスティバルは、段取りは凄く悪く、初めは、イライラしていたのであるが最後には、とても良い想い出と昇華していった珍しいパターンであった。思えば、この日も、私達の為に5人ものスタッフが出迎えにきた。主催者のペテロは、前の日に連絡をとる予定が、彼が家に帰ったのが遅く朝、連絡したらまだ寝ていると言う有り様に本当に引いたのを覚えている。でも、この、ペテロが企画している演劇祭。
彼が所属しているイオネスコ劇場は、政府からあまり良く思われてないらしくほぼ単独で運営している現状を聞くとなんとも、、、。しかも、僕らの会場であるエミネスク劇場とイオネスコ劇場は、折り合いが悪くというのも先に書いたような理由からイオネスコ劇場は、自分達の劇場を国に取り上げられたりしている訳で、そんなかれらたちに自分達の劇場を貸す事を快く思ってないらしいのだ。そんな訳で最後には、皆、彼等を応援したい気持ちになっていた。と、思う。

 『ハムレット・ドリーム』は、完璧に役者が何かを発すると言う事がなく。観ていて次から次へと絵が流れていくので飽きないのだが、、、。みんな、裸になったりミルクをぶちまけたり、、、。テクノ系のクラブのレイヴか?と思う。それを延々3時間。だから何?と思ってしまったのである。ルーマニア出身で日本に住んでいる僕らの通訳ダディネラは、面白かったらしい。つまり、ゾルダックは、勇気があると、、、。いままでルーマニアには、ああいう芝居はなかった。というのである、、、。僕の感覚では、古いのだが、、、。いろいろあるわけね、、、。今となっては、やっぱり強烈に覚えているのですが、、、。2007年に日本に来るかも知れないそうです。やはりまた、観に行って正体を暴きたいと思う。

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2003/05/26 『検察官』


この所疲れて日記を書いているので、訳が分からない所はお許しを!!
 今朝は、山下さんが先に目覚めていた。どうも交互に起きる。昨夜観たひどい芝居の話で朝食が盛り上がる。近所の大聖堂まで散歩する。教会はやはり面白い。色々な絵があって不思議に気分がする。7レイのペンダントヘッドや、3レイのイコンを購入。
とにかく我々には安い。売ってくれたおばあちゃんの修道女に有難うという言葉を教える。
 バスにのり出発。今日こそは順調にと思ったが、劇場打ち合わせ等々が無くなる!!!
何と主催側と劇場側との連絡ミスで劇場側の担当者が帰ってしまったらしい。
               なんじゃそりゃあ!!!
 しかし作業はつつがなく終了。ホテルにもどりほっと一息。またまたビール。しかし、竹内さんと待ち合わせをしてビールを飲んだのだが、ホテルの部屋で着替えたりシャワーを浴びたりしていたら一時間程遅れてしまい、怒らせてしまった。いかんいかん。気を引き締めねば。
 今日はオペラハウスでゴーゴリの「検察官」という芝居を観劇。ルーマニアの劇団である。検察官は名前だけ知っていて、話は知らなかったので劇団の野口さんや舞台を手伝って下さっている松井さんにストーリーを伺う。

ストーリーは、ある街に検察官がやって来ると噂が流れる。その街に偶然やって来たある男を街の有力者は検察官と間違え、賄賂を贈ったり、ちやほやするのだが実は違ったという単純明解なコメディである。

 これが面白かった。いい意味で新劇って感じで。でもきちんとしていたし、すっごく笑えた。やはり、いいものはいい。ジャンルも国境も関係ないのである。主役の男はカーテンコールで首を少しかしげるだけと言うちょっとすかした嫌な感じのやっだった。
 話は変わるが、この国はスタイルのいい人が多い。そして、綺麗な人が多い。 
 あ、今日の作業の最後に向こうのスタッフにのこぎりとスクリューネジをあげた。欲しいというからあげたのだけど、すっごく嬉しかったみたい。道具の違いとか、興味あるのね、やっぱり。
 さて、明日は久しぶりに役者としての作業が出来る。どうなるのか。そして、どうなっているのか。いろいろとメンテナンスをしなければ。ただでさえ、3月の横浜公演から芝居の質が落ちているのに、もう一週間も稽古していない。大丈夫なのか。若い人たち頼むぜ。そして俺!!
 絶対に良いものをみせたい、そして、芝居のパワーってこういうものだよって思ってもらいたい。どうなるのか。
 オペラハウスで最終日にもしかしたらワイナリーに連れて行けるかもしれないと志賀さんに言われた。ただし、まだ決まっていないので、この事は他言無用
との事。皆に内緒で自分にしか知らない事って少し楽しい。
今日も洗濯して眠りにつく。



追記

段々に疲れがたまって来ているのが分かりはじめて来たのがこの頃。先日の「ハムレット・ドリーム」の影響でなんとなくこの海外公演に対する興味も意欲も無くなりかけ、早く日本に帰りたくなっていたりもした。今思えば軽いホームシックだったのかもしれないが。
 近所の大聖堂は、青い素敵な色をしていて中に入ると神父さんらしき人が煙りの出る銀色の器を振り回してあるいていた。周りには、様々な宗教画が飾られていてそのひとつひとつに頭にスカーフをまいた人々が一心不乱に祈りを捧げていた。その姿は、切実
でなんとも形容しがたい雰囲気が漂っていた。僕は、両腕を切り落とされた男の絵が気になったのだが何のお話かは、分からなかった。

 先にも書いたが、エミネスク劇場とイヨネスコ劇場との不仲というか非協力体制というかは、至る所であらわれた。仕方がないのだが、、、。同じ芝居をやっている人間なんだから協力してあげれば良いのにね。まあ、劇場を貸しているだけ協力しているのかもしれないが、、、。

 竹内さんとのすれ違いも、もう一人の山下氏さん(山下陽子さん制作担当)が一緒に飲んでいるはずと思い込んでしまった。僕の判断ミスでおこってしまった。おかげで照明の野村にも迷惑をかけてしまった。ごめんなさいね!

 そうそう、この国の3割の人間はロシア人なのだそうだが、そのせいか背が高くて綺麗な人が多かった。何よりみんな巨乳!本当にビビるよ。そして、行く前には、予想もしなかったくらいに気候が暑く、乾燥していた。そんな感じだから皆薄着で日本人と感覚が違うのは、透けている服を着てもブラジャーをしていれば全然平気ってな所。目のやり場に困りました。凄く太ったおばちゃんまでもそうだからホントにね、、、。

 日本の工具なんかもかなり珍しいらしくきちんと道具を片して鍵をかけておかないと持ってかれるかも知れないと思えるくらいにきょうみをもっていたみたいだった。日本で裏方のバイトをしている友人もドイツオペラなんかのバイトをするとその道具の違いには驚くと言ったはなしをしていたのを思い出した。

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2003/05/27 『劇場。 』


今朝も山下さんが先に目覚めたようだ。起きた時には部屋にいなかった。集合時間、照明の竹内さんが少し緩くなっていた現場の雰囲気をカツを入れる。時間は、タイトに守らねば、、、。いつも氏には、気を使って頂いてありがたい。
 今日からやっと劇場に入れる。仕込みである。こっちの人は、スタッフと役者が分業なのが当たり前だから、劇場の駐車場でセットを作っている僕らを観て、「役者はいつ来るんだ?」と聞かれたとかなんとか。
 僕は、照明部なので主にそっちを担当する。劇場付きの照明さんは、マルチェル。通称(僕らの中で)マっちゃん。やる気の無さそうなシャイな男。照明機材を僕らに触らせないで仕込みは全部自分でやると行って聞かない。僕らは、指示するだけ。大丈夫なの、、、?マちゃん?しかし、何とかなってしまうのがこの世の常。面白い。妥協だらけだが。機材は、レンズが割れっぱなし。バトンに吊ってある機材は、『ほぼ全部飾りだ』と言うマっちゃん。僕が役者じゃなければ、大好きな奴。

 今日も仕込みの時に怒鳴った。しかし、今日は僕が怒鳴らないと大人の人達は納得しなかったと思う。「返事しろ!」だなんて小学生か、、、。この劇団のモラルが問われる。しかし、この劇団ののんびりしているところが良いとか悪いとか、、、。

 歌の稽古。やっぱり何でも稽古は良い。役者なんだなー。
 明日は、ゲネプロ。そして、本番。とにかく残響の多い劇場。的確に表現しなくては、、、。

 今日もビールを飲んで寝る。毎日ビールを飲んでいるみたいだけど、飲んでるけどビールが安いのだ。高いビールで、日本円で150円だよ。普通のビールで80円。こりゃ飲むっしょ!おすすめは、キシニョフ。

 おやすみ、、、。



追記

こっちの劇場は、素晴しい。なにがと言うと劇場に専属の劇団があって(だから、劇団って名前がない。)国から保護されていて(と、いうより国立)劇場には、作業場や工房、衣装部屋、何でも揃っていて。スタッフも劇場にきちんといるんだよね。役者は、皆、国から給料を貰っている。でも、少なくてアルバイトしている人も多いとか。そして、(これも嫌だけど)どんなにいっぱい芝居しても給料は上がらないらしい。

 劇場の照明さんのマッちゃんは、とてもナイスキャラで調光卓には、ヌード写真を貼付けているのであった。普段のマッちゃんからは想像出来ない。ナイスさ。

 そうそう、遅くなったけどお金の価値はね。
1ドル=136円
1ユーロ=140円
1レイ=13円
で、ビールが6レイ。
 ちなみに舞台のスタッフの酔っ払いちゃんの給料が300レイから350レイ。
換算すると3900円から4550円位。凄い安いよね。

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2003/05/28 『小栗判官・照手姫 』


今朝は、僕が早く起きた。
  上手く書けない、
  酔っている。
  芝居が上手くいった。
  XX(解読不能)
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 昨日は余りの嬉しさに飲み過ぎて何を書いているのか分からないので、ずるをして記録のつもりで書きます。(29日に書いてます)

今日は本番だ。いつものように朝食を取り、劇場に向かう。いつものように残っていた作業をする。しかし、次から次へと作業が出てくる。一体、いつになったら役者になれるのか。

ゲネプロは、ぼろぼろであった。やはり、一週間のブランクっていうのは辛いのかも。と、おもいきや、本番は近年稀にみるできであった。いつも,オープニングアクトはだらけているのに今日は、皆ひとつにまとまり、日本での公演と比べると何年ぶりかというくらいの集中があった。ちょっと皆,日本でもよろしく頼むぜ!!!本当に。いつもの事ながら、本番中にも色んな発見があった。しかし、これを験せるのに三日くらい空いてしまう・・・忘れなければ良いのだければ。
カーテンコールがこれまた凄かった。おじぎをしてひっこんでも拍手がなりやまず、おそらくではあるが、このフェスティバルで一番の盛り上がりを見せたと思う。きっとカフェでは「一幕で帰ったやつはバカだ」との論争が巻き起こっているに違いない。
主催者のペテロも、カーテンコールの挨拶の最中に「こんなに面白い芝居があると思うと嬉しくて泣けてくる」と少々言葉につまっていた。
                  ふふん。
 二日前の「ハムレット・ドリーム」のメンバーも観に来ていたようで、本番前に気合いが入っていたが、どうだ!!である。
 やつらも見事に興奮して帰っていったようだ。その後、彼等はブルガリアの演劇祭に向かったようである。彼等は、60人で移動をしていて二階建てバスがその手段。スタッフと違う芝居2本の役者。たいした気力である。しかし、うらやましいのは、ヨーロッパは、バスで何処でもいけると言うのが良い。日本人の感覚には無い感覚がある。たとへば、ギリシャまで一日でいけるとか。

   バラシがおわり、ボートシアターにしては珍しく、集合写真を撮る。まっちゃん事マルチェスは、何も言わずに帰っていった。いつも夕方になるとビールを飲んで酔っぱらいながら舞台にいる劇場の方は、ボートの舞台監督の中杉氏に怒鳴られてやっと仕事を手伝った。イイ奴なんだけどね。

 ホテルに戻り、皆としこたま酒を飲み、照明の竹内さんの部屋でボートの将来を語る。その場に居た女優であり制作の志摩さんのガスをぬいてあげた。

 本番の、疲れのせいか、早くものどを痛めたようで、声が思うようにでない。次の本番まで移動日もふくめ、三日のあいだに治るとよいのだが・・・。少々飲み過ぎた。先に寝た山下さんに起こしてくれるようにメモを残し、(失礼なやつである)風呂に入り、洗濯をし、泥沼に落ちていった。



追記

この前の日に偶然チャンネルをまわしていたら「BITEI演劇祭」のTV番組を発見し、まじまじと見ていたら『ハムレット・ドリーム』の映像も流れていて映像で見ると綺麗だと思った。当然、この日も時間になったら見ようと思っていたら、竹内さんの部屋はその番組が写らなかった。どうしたものか?と思っていたらシャワーを浴び終わった山下さんが腰にバスタオルをまいた姿で向いの部屋の竹内さんの部屋に来て今、やってると教えてくれたので皆で移動TVをまるで始めてみている人達のように凝視していた。しかし、ひとつの演劇祭でひと番組作ってしまうペテロは、やはりただ者では無いのかも知れない。
この日、日本を離れて始めて日本の物を口にした。『みそにんにく』である。ボートの創始者の一人でも有る志摩さんが差し入れてくれたのである。食事があわない人には、最高の差し入れであった。しかし、竹内さんは食べなかった。日本に帰りたくなるからだって、、、。おやおや。でも、気持ちは、すっごく分かる。僕は、食べ物は、大丈夫だったけどね。でも、この時期は、太った。ヤバいくらい。毎日、油がこんなに強烈だったとは、、、。食事は、モルドバでは、朝食以外は、カツレツのバリエーション魚も豚も鳥も揚げてある。そして、イモ。これも、フライド、、、。何故か昼食だけスープが出るんだよな。美味しかった。汁ものは、胃に優しかった。この国では、牛はあまり食べないみたい。

 ところで、モルドバの観客は、優しかった。凄く嬉しいくらいの拍手。そして、ペテロのキャラクターも有るがカーテンコールでペテロが出て来てトロフィーの授与のときに色々僕らの事を観客に話してくれた。そんな事まで言わなくていいのに。舞台の裏側も話すもんだから。驚きと感動を巻き起こしたみたいで。すすり泣きが、、、。芝居で泣
いて。その話で泣いて。そして、なり止まない拍手。感動。感動。大感動。こっちまで泣けて来た。やっぱり、こちらのシステムだと役者がスタッフと一丸になってセットを作ったりするのがしかも海外に来てまで。涙を誘ったよう。でも、それは、恥ずかしかったけどね。
 あとで、ペテロが言ってたけど。分業の弊害で役者がみんな天狗になっていくから、なにかしらみんなでやった方が良いし、そんな、システムがある日本が羨ましいだって、、。どっちもどっちだよなーーーー。

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